フライホイール交換

 NA化してからずーと気になってたことが2つありました。
 ひとつは、エンジンをNA化して馬力が約半分になったのに、フライホイールはターボエンジンのものをそのまま使っていること。
 もうひとつは、原因不明の「クラッチペダルが戻ってこない」症状が続いていること。
 です。
 このふたつの問題、片方だけなら面倒くささに負けて直そうとは思わなかったのですが、ふたつ重なって、「そのうち直さねば直さねば・・・」と心に引っかかっており、ついに思い立って直すことにしました。
 街乗りではほぼなんともないのですが、サーキットでのハードブレーキング等では必ずクラッチが戻ってこなくなるため、まともに走れないのもツライのです。

 まずこのEJ20Eエンジンにあう重さのフライホイール(NAとWRXではクラッチ形状が違うため、ミッションがWRXな私の車にはNAのフライホイールはそのまま付けられないのです)を探そうと思ったのですが、肝心のNAのフライホイールの重量がわからない・・・。このエンジンを買ったときにNAフライホイールがくっついてきたのですが、何も考えずに重さも計らずに捨ててしまってます。仕方ないので、2リッターで同じくらいの馬力、車格な車の純正フライホイールの重さをネットで調べます。大体6〜8kgなのでクラッチカバーの多少の重量増も考えて6kg位のF/Wにすれば大きくは外してないだろうと推測。WRXの純正フライホイールが約10kgで、市販されているWRX用の軽量フライホイールは5kg前後のものが多いので、できるだけ重たいWRX用の軽量フラホを探すことに。勿論新品なんてお高くて手が出ないから中古で・・・。
 8千円で、恐らくゼロスポーツのクロモリフライホイールと思われる正体不明のF/Wを購入。カタログ上では5.3kgなので、ちょっと目標よりは軽いけど安かったのでこれで妥協。
 あと、エンジン載せ替えた際に換えておけばよかったと後悔したクラッチカバーとレリーズベアリング、今回はちゃんと新品を購入。
 部品が揃ったので、覚悟を決めて作業に取りかかります。

 ハチロクのミッションを載せ換えた時は全て一人で作業できたのですが、インプのミッションは確実にハチロクのそれよりも重たそうですし、あの頃よりも筋力・体力が衰えていますので、ひとりでミッションを支えるのは無理と判断し、AB9じゃま〜君にお手伝いに来てもらって作業スタート。
 子守りで忙しい中、ハードでダーティーな作業に付き合っていただき、感謝しております。非常に助かりました。



 出来るだけ高く、手持ちのウマの最上段までジャッキアップ。

 すかさずミッションオイルと、ついでにデフオイルを抜いておきます。
 スターター、ピッチングストッパー、クラッチレリーズシリンダーを外して、

 クラッチレリーズフォークシャフトを抜いてレリーズフォークとレリーズベアリングを切り離します。

 インタークーラーが無いので作業がスムーズに進みます。
 
 フロントドライブシャフトをミッションから外し、
 プロペラシャフトの接合部にマーキングしておいて
 プロペラシャフトを外し、
 エキマニ&触媒パイプを外し、

 ミッションへ伸びている各配線を外します。
 WRX STIですがNAなのでエキマニの取り回しはこんなです。
 ちなみに、装着してから約2年が経過する、思いつきでテキトーに作ったこのエキマニアダプターは、壊れることなく、不具合なく仕事をしてくれていました。
 フロントクロスメンバーとも接触した痕跡は見当たりませんでした。
 シフトリンクとサポートリンクを外し、
 エンジンとミッションの結合ボルト、ナット4個を外します。

 これまたタービンがないのでダイレクトにボルトにアクセスできます。
 あと残るはこのミッションマウントのリアクロスメンバーのみです。

 ミッション本体にガレージジャッキをかけておいてメンバーを外し、
 エンジンとミッションの間に鉄パイプをひねりこんでこじったりミッションをゆすったり蹴ったりしながら、いつミッションが「ガーン」と落っこちてきて押し潰されないかびくびくしながら悪戦苦闘の末、なんとかかんとかミッションを落とすことに成功。

 妻子あり・膨大な家のローンあり、のおっさん2人、ここで車のミッションに押し潰されて死ぬわけにはいきません。
 いや、いっそここで押し潰されたら生命保険で一気にローン完済できて良かったのか?


 やっと降りたという安堵感よりも、降ろすのにこんなに苦労したのに、これどうやって積み込みゃぁいいんだ?という不安感に苛まれます。しかし、降ろしてしまった以上なんとかして積み込むしか仕方ありません・・・。
 なにはともあれ、クラッチ一式&フライホイールを外しにかかります。

 13時から降ろし始めてこの時点で既に15時30分、できれば今日中に終わらせて、ゆっくりテレビでも見ながら一杯やりたいぞ〜!
 ピカピカに光る純正新品パーツ達(一部中古部品あり)を組み付けます。
 WRX純正のごつくて重たいF/Wに比べるて、ペラペラで大丈夫かこれ?って感じのクロモリF/W。
 付いていたF/Wを外してみてアレ?なんだかちょっと違うぞ、と予備のWRX純正F/Wと比べてみる。

 左:正体不明軽量クロモリF/W(恐らくZERO SPORT)
 中央:今まで車両に装着していたWRX純正F/W(恐らくEJ205純正)
 右:予備のWRX純正F/W(恐らくEJ20K純正)

 そういえば、NA化した時に、並べてみて一番サビの少ない、前のE/Gに付いてたEJ205のF/W使ったんやったっけ?まぁ見た目がちょっと違うだけで寸法も重さも同じくらいなのでどっちでも一緒か。
 新品ボルトにロックタイトを塗ってしっかり取り付け。
 クラッチ板はまだ3年・3万kmくらいしか使ってないので殆ど磨耗してないため再使用。
 しっかり芯出ししてカバーを取り付ける。
 車の下の狭ーい狭いスペースに潜り込んでレリーズフォークを組み付けます。

 こうやって潜り込んだり立ち上がったりを繰り返しての作業を続けたため、この日から2〜3日は全身筋肉痛に悩まされました。
 普段は全くやらない腕立てと腹筋運動のようなことを何回も何回もしたから無理も無い。
 ほんでもっていざ、ミッション搭載。
 じゃま〜君と2人でミッションと格闘したものの、ミッションとエンジンの距離がどうしても縮まりません。
 ミッションを押したり引いたり蹴ったりこじったりしても、どうしてもこの位の距離までしか入りません。
 エンジンマウントを緩めてエンジンを傾けても無理。

 ここでじゃま〜君はタイムアップ。子どもの風呂入れと地区の会議のため帰宅。地区の会議は欠席すると後々何かと大変です。ギリギリまで無理言ってすんませんでした。
 一人になって、さて、どうしようかと悩みます。

 あまりスマートでなくて気がすすまないけどこの際仕方ない、長〜いボルトをねじ込んで無理やりT/MとE/Gを合体させることにします。

 少しねじ込んだところで、クランクを回してT/MのメインシャフトとE/Gのスプラインを合わせると、「ガツン」という音&感触と共に無事合体!

 あとはねじ込むにつれて隙間がどんどんちぢまってくるので、4本のボルトを均一に締めこんで完全結合。

 あとは外したボルト、部品、配線等を元に戻すだけ。
 最後にミッションオイルとデフオイルを入れ終了。

 オイルのパフォーマンスと私の財力が吊り合うところで、最近はこの組み合わせが気に入ってます。

 ミッションオイルはWAKO'SのRG7590LSD。
 デフオイルはREDLINEのNSシリーズが最強、デフがガツンと効くようになります。

 で、少し試乗してみました。

 いい感じです。F/W重量が約半分になったのですから当然エンジンレスポンスは軽くなっています。というか、元々エンジンパワーにあわぬ重たいF/Wだったので、これがこのE/G本来のレスポンスなのでしょう。もっさり具合が幾分改善しました。ヴィヴィオやサンバーに積まれているEN07エンジンに近くなったような感じです。EJ20Eよ、ディーゼルみたいだ、なんて言ってゴメンなさい。
 低回転時のトルク不足は全く苦になりません。2千回転弱までのトルクは確かに薄くなっていますが、そんな回転域は発進時しか使わないので関係ありません。5速フルクロスだから、というのもあるかも知れませんが・・・。

 予期しなかったのは、走っていると車体が軽くなったような感じがすることです。エンジンレスポンスがよくなったのはそんなに感じませんが、車重が軽い感じはかなり顕著に感じます。これならツインカムに載せ換えなくても我慢できそうです。

 で、肝心の「クラッチが戻ってこなくなる」症状は直ったのかというと・・・ダメでした。
 全く症状変わらず。何のためにミッション降ろしたのか、この全身筋肉痛をどうしてくれるのだ!ガッカリです。

 原因はクラッチカバーでもなくレリーズベアリングでもないとすると何なんでしょう???
 もう考えてもわからないし、原因探求する気力も全く失せたので、こうなれば無理やり対策を施します。

 詳しくは次回



inserted by FC2 system