CT50J (AD05) モトラがやってきた

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 会社の先輩が要らないというので貰ってきた。

 5年程前から全く動かしていないらしい。
 不動ではあるが程度は悪くなさそう。
 タンクを空にして、キャブ内のガソリンも抜いてある。

 30年前のバイクにしてはサビが少ない。サブフレームの端々等は確かに錆びてるのだが、フレーム本体はほとんど錆びていない。

 何より欠品がないのが嬉しい。

 キャブ掃除だけで復活しそうな予感。
 いや、ガソリン入れればこのままエンジンかかりそうだ。
motra01-02.jpg  早速部屋に入れてバラしはじめる。

 というか、できるだけ手間と金をかけずに乗り出したいので、キャブ掃除だけのつもり。

 が、シート取付ナットがはずれない。

 サイドカバーとエアクリさえ取外せばキャブは取外せるのだが、色々と余計手間がかかるので出来ればシートを真っ先に取外したいのだ。

 このナットを回すと固定ボルトもともまわりしてしまってナットが外せないのだ。
 プラスチックのシートベース部の中でボルトが空回りしてるようだ。

 ボルトの中心に溝を切って回り止めとして回そうかと思ったが、外せないこのボルトを加工するのは後々面倒くさいことになりそうなので、このボルトにはできるだけ触れずに、とりあえずヒンジ部の固定ボルトの方を外してみることにした。
 スペースは狭いが回せないことはない。
motra01-03.jpg  で、何の苦労もなく無事キャブは外せた。

 なつかしいキャブだ。
 私の、車・バイクいじりの原点はカブなのだ。一番最初にバラしたエンジンはスーパーカブのエンジン、ニ十年くらい前、まだ右も左もわからぬ若かりし頃、大学の授業サボってスーパーカブチューンしてたなぁ・・・
 とおもひでに浸りながらバラす。

 ガソリン抜いてあったのが幸してか、キャブ内は物凄く綺麗。掃除しなくてもこのままいけそう。
 でも一応ジェットをはじめひととおり清掃点検して組みなおす。


motra01-04.jpg  ひと目このバイクを見た時から思っていた、こいつは実用性第一のスタイルで仕上げるべきだ!と。

 エンジンオイルのかわりに天ぷら油入れても壊れなさそうな丈夫なカブエンジンにフレームマウントの頑強な前後キャリアー、私にはカブ以上に使い勝手第一に振ったバイクに見えた。

 色的というか一般認知されてるこの単車のキャラクター的に、ミリタリー系で仕上げるのがおされっぽいが、おっさんになると見た目なんてどうでもいい。
 米軍払い下げ実物アーモボックス流用の前カゴだ!ドヤ!みたいなのより、コンビニでビールとタバコ買ってそのまま籠に放り込んで積んで帰れる使い勝手の良さの方が重要だ。
 兎に角大きくて実用的で安っぽいバスケットが好いのだ!!

 スーパーカブ純正の前籠も捨てがたかったのだが、より安い自転車の前カゴを付けてみた。
 ホームセンターをわざわざはしごして、より安いものを厳選してみた。980円と、名実ともにチープなこの籠に決定。
motra01-06.jpg  エンジンオイルはいつのものなのかわからないがちゃんと入ってたので、カブエンジン故にそのままでも大丈夫っぽかったが、縁起物なので換えておいた。

 モトラにはおかしな副変速機が付いていて、その部分の潤滑油がギアオイルと別になっているようなので、副変速機部分のオイルも換えておいた。
 まずエンジンオイル(ギアオイル)を規定量(600cc)満たしておいて、副変速機部分のオイルをフィラーボルトから溢れまで(70cc)入れるらしい。
 この副変速機部分のオイルは、これ単体で抜かない限りクランクケースのエンジンオイルが満たされていれば抜けることは無いようなのだが、クランクケースのオイルのレベルが下がれば副変速機のオイルも減ってしまって補充されない機構のようだ。
motra01-05.jpg  そして、キャブ掃除しただけで、新しいガソリンを入れると本当にキック3〜5発でエンジンはかかった。

 しかし、久しぶりに原動機付自転車に乗ってみて思った、遅すぎ!
 動きや特性はスーパーカブと同じな感じ。学生時代ずーっと乗っていた慣れ親しんだはずのカブエンジン、こんなに遅かったっけ?
 しかし久々のカブエンジン独特のギアチェンジ、ローターリー3速リターンと自動遠心クラッチに戸惑い、超乗りにくい・・・何でこんなにシフトダウンに気を遣わなければならんのだ?
 このままノーマルで乗るにはモチベーションが足らなさすぎる、今すぐにでも転売してしまいたくなる。

 これなら、まだ手元に置いてあるキ○ガイスクーターCZ150Rを復活させた方がええやん、って一瞬思う。が、CZ150R、メットイン無しかつフロントにラジエターを抱えているこのスクーターは見た目以上に収納スペースが無くて物凄く使い勝手が悪い。
 でもモトラの積載性をはじめとする使い勝手の良さは捨てがたい。
 で、考えた。

案1 モトラにCZ150Rのエンジンを換装。名付けて「モトZ150Rラ!」なんかカッコイイ!
案2 トライクに改造してミニカー登録する。ヘルメット無しでお手軽に乗れる!

 前々からミニカーとかトライクに乗ってみたいという願望を持っていたので、悩んだ結果、案2を試してみようと思う。
 案1は、CZ150Rエンジンが無駄に水冷なためラジエターの設置に戸惑いそうだし、エンジンマウント部とリアサス取付部と後輪車軸中心の位置関係上、簡単そうに見えて案外手間取りそうな臭いがするので避けたい所でもある。

 まず考えたのは、安易にモンキートライク化キットを取り付ける方法。
 最近は、中華トライク化キットが安くで手に入る。ホイール無しなら2万円程度で新品キットが買える。
 ATC110のリア周りを流用して・・・とか中華ATVバギーの部品取り車を買って・・・とか面倒臭いこと考えるより簡単に安く手軽にトライク化できそうな気がする。

 だが、モンキートライクキット取付には問題点もある。モトラ or R&Pトライク化キットってなものがあると何の問題もないのだがそんな都合のいい物はなさそうである。

 問題A モンキーとモトラのチェーンラインが異なる点。
 問題B スイングアームのピボット部取付ピッチがモンキーとモトラでは異なる点。

 モトラのエンジンと言うかスプロケットはモンキーのそれよりも外側に、推測で20mmオフセットされているようだ。ドライブスプロケを20mm内側にオフセットさせるかドリブンスプロケを20mm外側にオフセットさせる必用があるのだが、モトラのドライブスプロケットは特殊で加工が難しそう。代替品や加工品は皆無に等しい。あっても高価である。

 さらに、モトラのスイングアーム車体側取付部内側幅が推測で130〜138mm、対してモンキーの寸法が123mm、スイングアームの車体側取付幅を7〜15mm広げるかフレームのピボット部を7〜15mm狭くしなければならない。しかし、モトラのスイングアーム取付部フレーム側はフレームにパイプみたいなものが溶接延長してあって、この外側に飛び出している部分を削れば20mm程度の調整は簡単に出来そうなのだ。

 ということは、スイングアームピボット取付部の車体右側だけを23.5〜27.5mm(車体中心線とスイングアーム中心線をあわすために3.5〜7.5mm、そこからチェーンラインオフセット分20mmで合計23.5〜27.5mm)削り、フレーム左側にできる12.5〜16.5mmの隙間をカラー等で埋めてやれば問題A及びBを一度に解決してモンキートライクキットがポン付けできる、といういうことだ。
 ピボット部右側に27.5mm削れる余裕がなければ、オフセット不足分をトライクキットのスイングアーム取付部やドライブスプロケ取付部等で調整しなければならないが、10mm以下の調整くらいならなんとでもなりそうに思える。

 それもダメそうならモトラのスイングアームとトライクキットのスイングアームを溶接してくっつけてしまえばいい。

 脳内妄想ではすごく簡単にうまくいきそうだ。

 細かい事を言うと、リアサスの取付部の位置の問題やリアタイヤ外径の差の問題、ギア比の問題等色々あるのだが、そんなことチマチマ考えていても現物合わせしてみないと結局わからないので、そういうことは無視して後で考えることにしてとりあえずモンキートライク化キットを買ってみることにした。


 その後の経緯はこちら




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