自分でやるアライメント測定

 リアハブベアリング交換した時にリアのラテラルリンクを外してブッシュも交換したため、リアのトー角やスラスト角が確実に狂っていると思われます。
 この際フロントも含めて簡易的に4輪アライメント(とは言っても、1G・舵角0状態での4輪のトーとキャンバーだけ)を測定し、調整し直します。
 今までは、左右タイヤの溝に直接スケールを当てて測定したり、車体のまわりに水糸を張っったりして測定していたのですが、今回、レーザー水準器(レーザー墨出器)を使うともっと手軽に簡単にできないか、と考え、やってみることにします。
 プロ用のレーザーレベルは高くて到底買えませんし必要ないので、中国製のかなり怪しげな簡易レーザーレベルを購入してみました。2,000円程度の商品なので精度は勿論期待できませんが、とにかく真っ直ぐなライン(面)を5m程度照射できればOKです。
 測定の前に、本当ならアライメント測定する大前提として最低でもセットバックとサイドオフセットを限りなく0に調整しておくべきですが、そこまでする気力が無いですしそこまで求めていないので大胆にも省略してしまいます。スラスト角だけは先におおよそあわせておきたいので、リアホイル内側の前後対角距離を超簡易的に調整しておきます。

 リアホイール内側リム部の、接地面から同じ高さの点に印を付けておき、右前〜左後間の距離と左前〜右後間の距離をそろえます。
 同時にトー角も動くのでアウト20分くらいに揃えて準備完了。とりあえずこの時点で、狂っていたハンドルセンターは戻りました。

 (余談ですが、この時リアのトーをイン0度28分→アウト0度40分→アウト0度20分と調整し、それぞれ試走してみましたが、結構挙動が変わります。イン28分ではかなりリアは粘り、アウト40分ではかなり簡単にリアが振り出し、アウト20分で少し振り出し易い感じです。好み的にはアウト40分がいいのですが、タイヤがもったいない減り方をするので妥協して20分くらいに抑えておきます。)
 また、糸と錘でキャンバーだけ先に計っておき、目標値にあわせておいた方がよいです。車種によって違いますが、トーをいじってもキャンバーはそんなに変化しないがキャンバーをいじるとトーが大きく変化する場合が多いです。
 距離を読む人間とレーザー位置の微調整をする人間と2人以上居た方がスムーズにいくと思いますので、AB9じゃま氏に手伝いにきてもらい、いざ測定開始。

(準備する物)
1 レーザーレベル(垂直方向に点でなく線でレーザー照射できるもの。各角度を微調整できる三脚付きが望ましい)×2
2 直角定規などの直角が測れるもの(3:4:5の長さのモノを使って作ってもOK)
3 水糸
4 スケール

 まわりが明るいとレーザー光が見えにくいので、めったに閉めない開かずのならぬ閉めずのシャッターを、5年ぶりくらい久しぶりに閉めておきます。


 まず、横方向にできるだけ水平な場所に車を置き、4輪の空気圧を揃え、運転席に自分の体重と同じ質量のウェイトを載せます。このウェイトは何でもよいわけではなく、自分の主食でないといけません。私の場合は米とビールを載せます。

 水の入る可能性があるコンクリート床の車庫には、排水用に必ず傾斜がつけてあるもので、うちの車庫にも傾斜が付いてますが、面倒くさいので無視します。
 より正確に測定するためには、ここで各タイヤの下に板等を敷き、水盛り管等の水平器で4点の水平をとっておけば完璧です。

 また、私のように前後若しくは左右に異なるサイズのホイールを履いている変態さんは4本のホイールを同じサイズのものにそろえておきましょう。

 次に、塩をまいてお祓いをし、車体の前側でも後側でもいいのでレーザー水準器を起き、レーザー照射!!
 私の使ったレーザーは十字照射しますが、垂直方向のみ使います。(ちょっと計ってみましたが、予想どおり本体に付いている水泡管はかなりアバウトですし垂直ライン・水平ラインの直角度の狂いも結構ひどいです。)


一 まずレーザーの垂直ラインを調整します。おもりの付いた糸をたらしてそれにあわせれば簡単に垂直がでます。




二 次に、床に照射されたレーザーラインに直角定規をあてて左右間の距離を測り、レーザーからできるだけ離れた場所で同じように距離を測り、両者が同一になるようにレーザーレベルを置く位置を調整します。


三 各車軸のハブの中心からレーザーラインまでの距離が左右同一になるように調整します。
 可能であれば、サスペンションアームの取り付けボルトを基準にしたいところですが、事実上不可能なのでドラシャの先端を基準とします。

 x=x'は絶対に必要ですが、左右各ハブからレーザーラインまでの距離は左右同じである必要はないので、y-z=y'-z'になればOKです。
 ただし、サイドオフセットが狂っているとx=x'かつy-z=y'-z'は実現しません。



一〜三を必要に応じて繰り返します。

 以上全て調整が完了すると、車体の幾何学的中心線に平行な面(線ではなく面というところがミソ。)が2面できたことになります。
 あとはホイールのリムにスケールを当てて測定していくだけです。
 各部を測定したらその値をメモしていき、換算表にあてはめてmm単位を度数(60進法)に換算します。カタログ等に書いてあるmm表示に換算したいときはさらに変換します。
 角度表示は絶対値ですが、mm表示は(タイヤ外径×Sinトー角)なので、タイヤ外径で変わります。

 レーザーの置き位置及び照射方向調整が難しいのではないかと思っていましたが、案外短時間で簡単にできました。

 この測定がどれだけ正確に測れているかは未知数ですが、タイヤに直接メジャーをかける計測やアングル材等の治具を使った計測よりも正確に測れていると思われます。何の根拠もないですが希望的観測では、プラスマイナス1/4度(15分)くらいの精度はでてるかな?

 と、それよりも私の車、サイドオフセットもセットバックもきっちりずれてる・・・まぁ、ハンドル離して真っ直ぐ進むからいいか。
 ハンドル離すとあらぬ方向に飛んでいったり、ハンドルが戻ってこなかったりしてたハチロクより全然マシ!
<備忘メモ>
2009年7月12日測定値
トレッド幅差(ドライブシャフト先端・前mm/後mm) 6mm?(前1,600mm/後1,594mm)
サイドオフセット 6mm?ずれてる
ホイールベース
(カタログ値2,520mm)
2,517mm
2,526mm
セットバック 0°19′?恐らく後輪軸がずれてる
前左 キャンバー -1°12′(negative)
トー -0°24′(out)
前右 キャンバー -1°12′
トー -0°16′
前トータルトー -0°40′
後左 キャンバー -0°34′
トー -0°17′
後右 キャンバー -1°15′
トー -0°08′
後トータルトー -0°25′



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