リアのハブベアリングを交換します。 <備忘用品番:28016PA010(R180車テーパーローラーベアリングセット{アウターレース×1+インナーレース×2+ベアリング本体×1+変な白いプラスチックのアダプター)}> まず32mmのコマにパイプ延長でナットをゆるめます。 回り止めのカシメを戻しておかないといつまで経っても緩みません。 情けないことに、私はこれで30分くらい悩みました。 |
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ブレーキキャリパー・ストラット・ラテラルリンク・トレーリングアーム・スタビライザーリンクの接続ボルト、そしてブレーキローターを外します。 ブレーキローターははめこんであるだけなので叩いたりゆすったりすると外れますが、長い間分解していないと固着していて外れませんので、適当なM8のボルトを締め込んで外します。 また、当然ながらサイドブレーキをかけたままだと外れません。 サイドブレーキ機構を分解しますが、部品点数が多くて方向性がある部品がありますので、どこに何がどういう風についていたのか忘れてしまいがちです。左右一度に分解してしまわずに片方ずつバラした方が良いです。 |
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という風に順調にいけばよいのですが、ナックルとラテラルリンクを接続している長いボルトが固着して外れないことが多いです。固着だけではなく、曲がってしまっていることもあるようです。 私のGC8もリアまわりを長い間分解していなかったため、見事に固着していました。 ナットは緩むのですが、ボルトが抜けません!ハンマー(大)で叩こうが何をしようがビクともしません。 |
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とりあえず前側のラテリン外側部分はギアプーラーでブッシュごと外し、後側のラテリンはくっついたままで外し、油圧プレスでボルトを押し込んでみましたが全く動く気配がありません。 | |
こういう時には高速切断機でボルトの頭を切り飛ばすのが一番手っ取り早いかと思われます。 切断完了!! |
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ついでなのでこの際、ブッシュをピロボールタイプに交換しておきたいところですが、お金がないので我慢して純正新品ブッシュで我慢します。 左右合計8個のブッシュ(A・B・Cの3種類あり)を36mmの1/2ソケットを治具に使ってプレスで押し込みます。 |
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そして問題の、ボルトが抜けないナックル。 ボルトの残骸を抜き取るのが面倒なので、丁度安くで出品されていたGDBインプレッサ用のナックルを落札して使うことにします。R180のGC8用とGDB用(PCD100の前期型のみ?)は恐らく同じものです。 ちなみに新品ナックルを買うと片方で1万円くらいします。 (左:GDBのA型車の純正ナックル 右:GC8のE型STI Ver4 RA車の純正ナックル) |
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これでなんとか通常の作業に戻れます。 まずナックルとハブを切り離します。 ギアプーラーで抜き取ります。固くもなく結構簡単に抜けます。 |
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次にハブに残っているインナーレースを、同じくギアプーラーで抜き取ります。 作業の邪魔になるのでベアリング本体やオイルシールは予めこじり取っておきます。 インナーレース抜き取りは結構固く、プーラーの爪がかかる部分も狭いため、困難する場合もあります。 ギアプーラーで力をかけた状態でハブとレースの間にマイナスドライバー等をたたき込んだりすると抜け易いです。ただしハブが傷つきます。 |
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ハブ単体になりました。そんなに醜い状態ではありません。再使用決定です。 |
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次はナックルのアウターレース抜き取りです。 これ以降の作業には、油圧プレス・プレス治具が必要になります。 (上の写真は、全て(株)ストレートで購入した、3.5tベンチプレス・55mm3/4ソケット・2inch3/4ソケット・36mm1/2ソケット) とりあえず抜け防止用?のスナップリングを外します。 |
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外向き(インナー側からアウター側向きに)にプレスで押して抜きます。内向きには、ストッパーが付いてるのでいくら押しても抜けません。ちなみにフロントは逆に外側から内側に抜くようです。 下にアウターレース外径より径の大きな治具をあてておいて、内側のインナーレースとベアリングが入った状態のままインナーレースをプレスするか、インナーレースは取ってしまって、アウターレースの内側に引っかかり、且つストッパー部分より外径が小さい治具(2インチの3/4ソケットがピッタリでした。)をあててプレスします。 少し引っかかる感じがしながら「ゴンッゴンッ」と抜けていきます。 |
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抜け取れたアウターレースをアダプターとして使って、逆の手順で新品アウターレースを圧入します。 下側に55mmの3/4ソケットを、上側に2インチの3/4ソケットをあてがって圧入、最後にスナップリングをはめて完成です。 |
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あとはアウターレースにインナーレースとベアリングセットを組み込んでハブを圧入すればいいだけです。 新品ベアリングセットを買うとグリースアップされた状態なのでそのまま組めばいいのですが、折角なので純正グリースは除去してワコーズのハイマルチグリースを充填します。 グリースガンがあればいいのですが、持ってないので小さなオイラーで代用します。 グリースが固いのでとても握力がいります・・・。次の日若しくは次の次の日には前腕筋が筋肉痛になりますので覚悟してください。 |
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インナーレースとベアリングの間にもキッチリとグリースを充填していき、 グリースアップ完了。 |
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そしてアウターレースに入れ込んで、ナックルとハブの準備が整いました。 | |
ハブかナックルにオイルシール(アウター)をはめておき、ナックルの下に、インナーレースにちょうど当たるサイズの治具(36mmソケットを使用)をかましてハブを圧入します。 突き当たるところまでプレスして完成です。 ナックルを圧入する前に忘れずにバックプレートを付けておきましょう。入れ忘れると結構後悔します。 |
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最後にオイルシール(インナー)をたたき込んで終了です。 | |
<追記> リアのトーをアウト3mmにしたつもりが、ジャッキアップ状態であわせてしまったために、着地状態ではイン5mmになっていた。 少しの間気付かずに走っていたが、トーインになっていたためなのか、ブッシュが新品になったためなのか、リアの動きがなんだかしっくりこない。 一般的にはリアはトーインが基本なのだがろうが、リアが不安定な方が嬉しい私にはやはり少しアウト気味の方がしっくりくる。近々アウト4mm(0度20分)くらいに調整しなおす。 |