エアコン装着
ae86aircon01.jpg  今年の夏も暑い!エアコン無しなんて辛抱たまらん、もう我慢できない!

 というわけで、ハチロク購入後すぐにエアコンの部品をかき集め、ようやく全てそろったのでいよいよ装着です。
 
 しかし暑い、このクソ暑いのに作業したくないな、少し涼しくなってからにしようか・・・いやいや、それって本末転倒やん。
 という葛藤を乗り越えて重い腰を上げて装着作業開始。

 ハチロクの純正エアコンの冷媒ガスはR-12、一時期R12は入手困難で高値だったけど最近はそうでもない。まだストックされてるR-12は手に入る。
 ということで選択肢は大きく分けて3つ。
1 R-12を入れる
2 レトロフィットでR-134aを入れる
3 代替フロンガスを入れる
 選択肢1フロン案は、そうは言ってもフロン高いし、環境が云々とか言うつもりは無いがなんとなく積極的になれないので却下。
 選択肢2レトロフィット案は134aガスは安く手に入っていいのだが変換アダプターや何やらで高くつきそうなので却下。
 選択肢3代替フロン案ならシステムはそのままでガスだけ安定供給されれば一番手軽で安く済みそうなのでこれで決定。

 しかし一口に代替フロンといってもR-12システムでそのまま使える代替ガスは色々ある。ほとんどは134aガスを主成分とし、炭化水素やブタン等を混ぜているようだ。
 エアコン装着を所詮素人な私が自分でやるし、信用出来ない中古部品使用のため、室内側でガス漏れを起こす可能性が高い。ので、可燃性の高いものは避けることにする。
するとほとんどの製品がアウトとなる。可燃性の低い製品を探すと3つ候補に上がる。
 「アイセオンMO49 Plus」「SFW-21」「R-SP34E」の3つがあるが、「R- SP34E」以外のものはネットで探す限り日本ではほとんど流通してない。「R-SP34E」は実績もあるようだし、R-12ともR-134aとも混在可能なの でこれに決定。

 ここでもうひとつ考えなければならないことがある。冷凍機油、コンプレッサーオイルだ。
 カーエアコンの冷凍機油についてまとめてみる。
・R-12・・・フロンガス自体が潤滑性を持っているのでコンプレッサーオイルはスニソ等の安い鉱物油でOK。
・R-134a・・・ガス自体に潤滑性は乏しいので化学合成油しかNG。
・R-12代替・・・R-134aに炭化水素(ブタン・LPG)を混ぜ、HCにオイルを溶けこませて潤滑させるためR-12と同じ鉱物油でOKな場合が多いが、134a用オイルを必要とするものもある。

  今回の場合、中古で買ったコンプレッサーにコンプレッサーオイルが残っているのだ。できるだけ排出したのだが、どうしても少量残ってしまう。このオイルの正体が不明。十中八九スニソオイルのような鉱物油だと思われるが確証がない。そのため、この正体不明なオイルと相溶性のあるオイルを使わなければならない。鉱物油ともPAGともPOEとも相溶するオイルを探す。
 このような場合に使用するオイルで段突に使用実績が多そうなのが「Dayton POE プラス」というオイル。しかしこれが高い高い。もっと安い似たようなPOEオイルを探す。灯台下暗し、使おうと思ってるSP34eガス専用のオイルが鉱物油にも化学合成油にも相溶性があるようだし、デイトンのオイルよりも安い。
 また、AE86純正デンソーコンプレッサー(10P13C)のコンプレッサーオイルの指定粘度指数は46だがこのオイルはワイドレンジなのでカバーできるようだ。
 のでガス・オイル共にR-SP34Eを使うことにする。

 で、実際にコンプレッサーに残ってたオイルとSP34E専用オイルを混ぜてみる。茶褐色の残留オイルと透明なSP34E専用オイル、混ぜあわせた直後は分離しているが振り振り混ぜ混ぜすると完全に溶け込む。しばらくおいても分離しない。
ae86aircon02.jpg  エバポレーター、配管、コンプレッサー、コンデンサーは中古で揃え、ガス、冷凍機油、Oリングを新品で購入。
 汎用Oリングでも良かったのだがまだ純正部品がでるので、安く済む純正Oリングを購入。

 Oリングは3種類。
大・・・品番90099-14045・必要数2・内径実測13.8mm・線径実測1.9mm・1個40円
中・・・品番90099-14046・必要数4・内径実測10.8mm・線径実測1.8mm・1個40円
小・・・品番90099-14044(デンソー品番949140-2670)・必要数5・内径実測6.5mm・線径実測1.5mm・1個40円
ae86aircon07.jpg  まずはコンデンサーを装着。

 オイルクーラーを付けているのだが特に問題なし。

 レシーバータンクとオイルクーラーコアがギリギリでクリアランス0となる。オイルクーラーを少し前にずらせばいいだけなのだが面倒くさいのでこのままいく。
ae86aircon04.jpg  次に高圧側配管を組んでいく。
 配管は、全てブレーキクリーナーを注入してコンプレッサーで吹き飛ばしてクリーニングした。
 Oリングにコンプレッサーオイルを塗って閉め込む。締め付けトルクは適当(テキトーではなく適当)。

 そしてリキッドタンクからエバポレーターに向かう配管を組もうとして気付く、エアコン配管用通し穴は既にオイルクーラーのオイルホースによって不法占拠されている!

 うおっ、俺はオイルクーラーをとるかエアコンをとか迫られてるのか。う〜ん、どっちをとろうか?
ae86aircon05.jpg 「お前が無くしたのはこの金の斧か、それとも銀の斧か、はたまた普通の斧か?」
「女神様、わたくしめが無くしたのはその全ての斧です、全部わたくしのものでございます。欲張りなわたくしめは何もかも全て欲しいのです、お許し下さい女神様!」



 ということでどっちも同じくらい必要なので通路を広げます。

 エアソーで切開手術し、解决。

 低圧側配管も装着。
ae86aircon10.jpg  エバポへの配管も接続。
ae86aircon22.jpg  ちなみに全体の配管はこんなかんじで分割されてる。
ae86aircon06.jpg  これで残るはコンプレッサーのみ。
ae86aircon08.jpg  パワステ無し用ブラケットとコンプレッサーを装着してベルトをかける。

 ちなみにエアコンベルトは、5本溝のP形状の外周800mmのものならフィットする

 ホースを繋ぐ前にコンプレッサーにオイルを入れておく。
 確かな情報は見つからなかったのだがAE86の場合、空の場合コンプレッサーオイルは150ccが規定量っぽいので150cc注入。
 吐出側(D側)から直接注入するが120ccくらい入ったところで溢れてくる。軸を回して追加注入してもあと数十ccが入らないため、残りは高圧配管に入れておく。
ae86aircon13.jpg  コンプレッサーへ入るS(低圧)側ホースと吐出側D(高圧)ホースをコンプレッサーに取り付ける。

 ハチロクのコンプレッサーは前期と後期でガス出入口の形状が違い、パワステ有り無しでロックセンサーの有無が違うため、少なくとも4種類ある。

 今回揃えた配管は86年式パワステ無しアペックスのもののセットだったのでそのまま付くはずだったのだが、何故かD側の出口とホースがどう頑張っても付かない。
 余分にもう一組ある'87年式GTVのエアコン配管セットのコンプレッサー出入口部分とは少し形状が違うのだがどちらかの説明が間違っててどちらかが前期のものなのか?4種類以上存在するのか?どちらにせよどちらも付かない。でも吸入側だけ付いて吐出側だけ付かないというのはやはり取り付け方が悪いのか?
 車載する前に単体でちゃんと付くか確認しとけばよかった・・・いや待てよ、そう言えば買った時にはちゃんと付いてたぞ。ということはやっぱり取り付け方が悪いのか。
 車載状態だとオイルクーラーのオイルホースが邪魔で取り付けボルトとコンプレッサーのネジ穴をうまくあわせられない、もう一捻りすれば・・・あ、ネジ舐めた。
 仕方がないのでセットボルトを加工して無理矢理付けた。

  また、オイルクーラー配管途中のオイルブロックとエアコン配管の一部が干渉するためオイルブロックをずらす。しかしどこにも固定できるような穴の類がないので固定はあきらめて宙ブラリンのままにしておく。オイルホース4本が繋がってて身動きできないくらい位置決めされてるので落ちたり位置がずれたりしない、大丈夫やろ。
ae86aircon11.jpg  これでなんとか全配管が繋がった。
 早速マニホールドゲージを繋いで真空引きする。
ae86aircon12.jpg  真空ポンプはエアコンプレッサーに無理矢理繋いで代用しようと考えたのだが、某オークションで格安の長期在庫の新品ポンプを落札した。(有)コンドウのKonVac A-01型とある。

 よく見る横型?のものとはいでたちが違い何ともユニークな形をした真空ポンプ。

 案外しっかりしたものでちゃんと-750mmhg以上で引ける。

 とりあえず真空になるまで数分引いてみて漏れがないことを確認し、その後45分程引いて一晩放置。
 再度漏れがないことを確認して念のため30分真空引きして完了。こんだけすれば完璧やろ。
ae86aircon14.jpg  いよいよガス注入。

 エアパージしてエンジン停止のまま、とりあえず缶の圧力のみで高圧側から注入。横着して缶を逆さまにして、可能な限り液のまま注入。
 その後低圧側バルブも空けて低圧側からも注入。こちらは気体の状態で。
ae86aircon15.jpg  しかしそのままだと半分も入らないうちに缶が凍ってきて入らなくなるので、湯煎する。
 温めると嘘みたいに吸い込んでいく。

 次はコンプレッサーを回してさらに注入する。
ae86aircon16.jpg  しかし、エアコンスイッチをONにしてもONにならない。
 低圧側圧力スイッチがイカレてるのか配線がどっかでおかしいか何か必要なセンサーが外されてるかエアコンアンプが壊れてるか、原因は色々推測されるが兎に角マグネットクラッチがつながらない。
 車体配線はエアコン・パワステ付きだがコンプレッサーはパワステ無しなのでコンプレッサーにはロックスイッチが付いてないため結線できていないのだが、それでも本来は少しの間だけでもエアコンオンになるはずなのだがうんともすんともいわない。

 仕方ないのでマグネットクラッチの配線に、ヒューズボックスからとったバッテリー電圧を直接繋げて無理矢理コンプレッサーを回す。
 元々高めの1,200回転アイドリングだったのだが、コンプレッサーを回すとギリギリアイドリングできるくらいの600〜700回転くらいまで落ちた。アイドリング調整ネジで上げてしのぐ。
ae86aircon18.jpg  コンプレッサーが回る前に高圧側バルブを閉じて、低圧側から少しずつ吸わせていく。

 ガスがR-12なら400ccくらい(追記:750gが正しい)が規定量のようだが、代替ガスの場合R-12の場合に比べて7〜8割くらいに、覗き窓に泡がブクブク見えるくらいにおさえろとあるので280〜300ccくらいを目標にしてみた。(追記:600gくらい入れるべき)

 圧力で言うなら外気温30度、アイドリングで規定量は低圧側2kg/cm2、高圧側12kg/cm2くらいのようだが、外気温35度、アイドリングでこの数値。

 少し圧が高めのような気がするが外気温でかなり変わるようなので許容範囲内と思うことにする。
ae86aircon17.jpg  サイトグラスはこんな状態。

 SP34Eの説明には「サイトグラスに泡がぶくぶくなるくらいで止めること。フロンを入れた場合の正常状態である透明になると入れすぎ」とあるのでこれでOK!
ae86aircon19.jpg  エンジンを止めてしばらくたって高低圧均衡になるとこの状態。高低圧とも6〜7kg/cm2くらいになる。

 早速試乗。エアダクトからは冷たい風が出て、低圧側配管が冷たくなり、エバポボックスのドレーンホースからは水が滴る!!
 効きは思ってた程効かない、というか、涼しい風が出てるのは出てるのだが、いかんせん隙間が多いしガラスは紫外線対策なしの昔のガラスで室内は鉄板むき出しでミッションの熱が直で入ってくるので仕方がないか?
 そしてさらに、ハチロクはエンジン冷却カップリングファンがイマイチ?なためコンデンサーの冷却が不十分な気がする。高速で走ってコンデンサーに充分風をあてちゃるとよく冷える。アイドリングでももっとよく冷えるようにするにはやっぱり電動ファンしかない気がする。気が向いたらそのうち試そう。

 なにはともあれ、とうとうハチロクに念願のエアコンが装着された。
 あとは、エアコン常にONのマグネットクラッチ直配線仕様をなんとかせねば・・・。
ae86aircon20.jpg <おまけ>

 この時代のトヨタ車に付いてるロックセンサー、センサーが拾ったコンプレッサーの回転数とイグニッションが拾った回転数をエアコンアンプが比べて、双方に80%以上のずれを検知すると3秒後にマグネットクラッチへの出力をカットするようだ。

 先にも書いたが、私の車は、車体配線はエアコン・パワステ付きだがコンプレッサーはパワステ無しなのでコンプレッサーにはロックスイッチが付いてない。

 信号カットを殺す方法があることを探し当てた。

 写真はエアコンアンプの中身。赤丸を付けたチップの足をひとつ切ればいいらしい。
 探しあてた情報ではこのチップの番号は「SE037」であるはずなのだが私の車に付いてたものは「SE012」・・・ん?25くらい誤差誤差、気にしない気にしない!
ae86aircon21.jpg  このチップの半月切欠きを上に見て右側一番上の足を切断すればいいらしい。

 とりあえず加工してみたものの、私の場合、それ以前にエアコンシステム自体が作動してないので無駄か・・・。

その2へ→      


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