エンジン換装 〜その3「GDA・EJ205エンジン到着」
ここで修理方針決定です。
案Bの
「GDA or GDB用中古E/Gを買って、GD腰下+GC8ヘッドで組み上げる」です。
一番高くつくであろうこの案に決定したのは、GDA用EJ205エンジンが安くで出に入ったからです。中古EJ20Kを探してたんですが、高過ぎたり程度が悪かったりで中々出物がなかったのですが、探している最中にこのEJ205が10万円ででてきたため、気が付くとダボハゼのように何も考えずに目の前の餌に喰いついていました。
H15年式GDA・C型、走行35,000kmのEJ205です。
AVCSが付いており点火もダイレクトイグニッションになりエンジン制御が変わっていますので、勿論このまま積み換えはできませんし、カムだけEJ20Kに換えようと思ってもベースサークル径やジャーナル部の形状・直径が違いますのでカムのみ交換も不可能ですし、EJ20KのカムスプロケだけをEJ205カムに付けようとしても形状が違うので不可能です。
腰下(コンロッド&ピストン含む)のみ使用し、ヘッド&インマニはGC8のEJ20K用を使います。
とりあえず実家の玄関脇に、ばあちゃんが干している小豆を立ち退きさせて鎮座。運送屋さんには苦労をおかけしました。運送屋2人+私+親父=大人4人でなんとか持ち上げてここまで運べました。
安かったので、間違ってEJ15だったりしないかと不安でしたが、まぎれもなくEJ205です。
まず、修理方針が決まったので必要な部品発注です。
部品番号 |
部品名 |
数量 |
金額 |
備考 |
11044AA463 |
ガスケット シリンダヘッド |
2 |
8,040 |
EJ20K用1.5mmメタル |
13160AA060 |
タイミングベルト アンド ラベル セット |
1 |
12,800 |
EJ20K用(互換部品) |
13211AA110 |
シール エキゾーストバルブ |
8 |
2,240 |
|
13207AA120 |
シール インテークバルブ |
8 |
2,240 |
|
13270AA082 |
ガスケット ロッカーカバー ライト |
1 |
1,520 |
タイプB |
13272AA082 |
ガスケット ロッカーカバー レフト |
1 |
1,640 |
タイプB |
13293AA051 |
ガスケット ロッカーカバー No2 |
4 |
1,720 |
|
806732150 |
オイルシール |
4 |
1,400 |
カム前部の丸いやつ |
X4511AA010 |
ラジエタホース キット |
1 |
2,160 |
ロワ側 |
21144AA080 |
ホース ウォータ |
1 |
630 |
LLCタンク〜タービン |
72411FA001 |
ホース ヒータ インレット |
1 |
1,280 |
|
72015AA020 |
ホース ヒータ アウトレット |
1 |
1,170 |
|
30100AA720 |
ディスク コンプリート クラッチ |
1 |
13,600 |
|
14035AA281 |
ガスケット インテーク マニホルド |
2 |
1,260 |
|
806933010 |
シール Oリング |
2 |
280 |
ウォータパイプ〜シリンダ間 |
903100168 |
ワッシャ |
2 |
80 |
エンジン降ろす際に破壊のため |
42084AC061 |
バルブ アセンブリ ドレーン |
1 |
1,640 |
エンジン降ろす際に破壊のため |
004403007 |
スリーボンド1215 |
1 |
2,900 |
ついでに |
消費税 |
2,830 |
やっぱり消費税かかるんや・・・ |
合計 |
59,430 |
|
経費節減のため、ヘッドボルト、クラッチカバー、クラッチレリーズベアリングはEJ20Kのものを再使用し、
タイベル全アイドラー、エンジンマウント、フライホイールはEJ205に付いていたものがそのまま使えそうなので使います。
クラッチディスクは、整備書がないので新品厚や使用限度がどれだけなのか分かりませんが、リベットまで残厚1mmなかったので、この際ディスクだけ新品投入します。本来ならクラッチカバー、レリーズベアリング、パイロットベアリングもセットで交換したいところですが、ダメになっても比較的簡単に交換できるので再使用決定です。上に記載のないホース・配管、ガスケット類も再使用です。可能な限り、新しいEJ205に付いているものを使用します。
次に、早速EJ205をバラシはじめます。
AVCS(赤丸)が追加され、タイミングベルトアイドラー(黄丸)が増えていますが、タイミングベルト自体は長さも合いマーク位置も同じですし、カムとカムスプロケの位置関係も同じ(IN側は可変ですが)です。ちなみに最大カムリフト量(カム山)はEJ205の方が何mmか高いです。
カムスプロケが固く締めてあり、かつカムにモンキーが深くかからないため力が入れづらく、中々緩みません。
また、ヘッドボルトも、先にバラしたEJ20Kより固く締まっており、難儀しました。きっちり14mmの12角ソケットを一つおしゃかにし、なめかけたヘッドボルトに腹が立って
「えーい、ボルトに気を遣いながら緩めるのはストレス溜まる!どうせヘッドは使わないんだ、そこになおれ!たたっ切ってやる・・・成敗!!」
と、ヘッドブロックもろともヘッドボルトを輪切りにするという暴挙にでてしまいました・・・。アルミブロックなのでサクサク切れました。
その時はスカッとしましたが、この残骸が目に入る度に「勢いでちゃぶ台をひっくり返してしまったけど、奥さんに怒られてちらばったごはんや味噌汁やさんまの開きやきゅうりの漬物をセコセコ片付ける情けないお父さん」のような意気消沈な気持ちになります。
こんな基本的なところでつまずくとは、なんともお恥ずかしい限りです。自信消失気味です・・・。
これでEJ205ヘッドAssyはゴミと化してしまいました。一刻も早くこの残骸を不燃物の日に出し、早く忘れて立ち直りたいと思ってます。一度に左右とも出すと収集してくれないかもしれないので左右別々の日に出そうと思います。
なんとかかんとかEJ205をショートブロックにしました。普段の運動不足がたたり、全身筋肉痛です。
残る工程 ・・・ 腰下の互換性のない配管等を移植し、ヘッドをオーバーホールし、合体させて搭載
ですがここで、圧縮比について考えなければなりません。
EJ20Kは280馬力で圧縮比8.0、一方GDAに搭載されるEJ205は250馬力で圧縮比9.0です。
今回の組み合わせで圧縮比はどうなるのでしょう?
腰下(ピストン・クランク・コンロッド)がEJ205なだけで、カムもタービンも制御もGC8
STi4のままの予定なので、純正ECUでフルブーストかけると280馬力です。あまり圧縮比が高くなるなら何か対策をとらなければならないような気がします。
一番いいのはピストンをEJ20Kのものに換えてしまうことです。が、この場合ピストンリングを換えなければなりません。クルアランスが何mmで・・・とか考えなければならないし、慣らしも必要になるので今期の雪ドリは全開できなくなってしまいます。何よりリング、高いです。
目先のことだけを考えて、この案は却下です。腰下そのままでいけるという気休めのため、圧縮比だけは計算してみます。
本来ならここで燃焼室とピストントップ容積の測定をするわけですが、実際に測られた方のデータをネットで集めます。便利な時代になりました。(「
最速!インプレッサ製作日記」のなべ管理人様、データ使わせていただきます。)
GC8・EJ20K
ストローク |
75.00 |
ボア |
92.00 |
G/K厚さ |
1.50 |
G/K直径 |
93.50 |
燃焼室面積(推定) |
60.00 |
ピストン容積 |
14.50 |
ピストン突出量(実測) |
0.50 |
燃焼室容積 |
45.00 |
圧縮比 |
8.50 |
|
GDB・EJ207(参考)
ストローク |
75.00 |
ボア |
92.00 |
G/K厚さ |
0.80 |
G/K直径 |
93.50 |
燃焼室面積(推定) |
61.20 |
ピストン容積 |
6.20 |
ピストン突出量(推定) |
-1.50 |
燃焼室容積 |
49.30 |
圧縮比 |
8.02 |
|
上記2機に関しては何件かデータが集められました。(不確かな部分もありますので、上記の表が正しいとは限りません、あまり参考にはしないでください。)しかし、GDAのEJ205に関してはデータが見つかりません。
調べながらわかったことは
@クランクとコンロッドの寸法はEJ20#全て共通で、ピストンのコンプレッションハイトの長短のみでピストン突出量は調整されている
AGDB・EJ207とGDA・EJ205の圧縮比はそれぞれ8.0と9.0であり、ヘッドガスケットは両者とも0.8mmなので、この差はピストン突出量とピストントップ容積、そして燃焼室面積&容積の差によるものである。
BGDB・EJ207とGDA・EJ205のピストン突出量の差は実測値比較で
1.7mmである。
CGDB・EJ207とGDA・EJ205のピストントップ容積、燃焼室面積&容積が同じなのか違うのかはわからない。
以上のことから、何の根拠もない推測値を出してみました。
推測の根拠は、
@STiバージョンのためだけにわざわざヘッドブロックを作るとは思えないため、EJ207とEJ205のヘッドブロックは共通であり、燃焼室面積&容積は同じである、と仮定する。
AEJ207とEJ205のピストントップ容積は、@を前提として逆算すると、圧縮比が9.0になるためにはEJ205のピストントップ容積の方が2.66cc程度大きくなければならない。EJ207よりピストン突出量が多いのだから、その分バルブリセスが深く掘ってあると考えても説明がつく。205と207のピストントップ形状は実際に写真で比べてみると異なっている。
というものです。
GDA・EJ205
ストローク |
75.00 |
ボア |
92.00 |
G/K厚さ |
0.80 |
G/K直径 |
93.50 |
燃焼室面積(推定) |
61.20 |
ピストン容積(推定) |
8.86 |
ピストン突出量(実測) |
0.20 |
燃焼室容積(推定) |
49.30 |
圧縮比 |
9.00 |
|
EJ20Kヘッド+EJ205腰下
ストローク |
75.00 |
ボア |
92.00 |
G/K厚さ |
1.50 |
G/K直径 |
93.50 |
燃焼室面積(推定) |
60.00 |
ピストン容積(推定) |
8.86 |
ピストン突出量(実測) |
0.20 |
燃焼室容積 |
45.00 |
圧縮比 |
8.93 |
|
(追記:見え消ししてある数値は、後日間違っていることが判明。)
|
それっぽい数値がでてきました。ターボE/Gにしては高圧縮気味ではあるが8.9ならブーストを抑え気味にしたらなんとかなるか!? が、どうも怪しい・・・大体、根拠@が正しいという保証は全く無いわけですし、カムが違っていてバルブリフト量が異なれば根拠Aもかなり疑わしいわけですから。
やっぱり横着して机上の空論をかましてないで最低限、EJ205のピストン容積ぐらいは実際に測ってみることにします。
しかし、それで予想外な容積で、結果圧縮比9.0を超えるなら、燃焼室を削るかピストン交換するかの二択になるが・・・ま、とりあえず容積測定してみます。
参考写真
EJ20K燃焼室 |
EJ205燃焼室 |
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20Kは四葉のクローバーみたいな形、一方205の方はスタンダードなペントルーフ型で、どう見ても20Kの方が容量が小さいです。
※ Special Thanks To エンジン運ぶのを手伝ってくれた(無理矢理手伝わせた) ニエロ&親父